【防災】地すべり対策工

こんにちは。土地家屋調査士の花上康一です。
今回は土地境界の事ではなく、地すべり対策についてなので
宅地造成設計技術者の花上としてお話させていただきます。

大雨による土砂崩れや地震による斜面地の崩壊などの災害はあとをたちません。
もし自分の住んでいる土地が斜面地の上に建っていてその斜面が崩れた、
または裏の一段上がったリンチの崖が崩壊した、なんてことを想像してみてください。
とても恐ろしいですよね。

新たに宅地を造成しようと計画した場合、宅地造成規制法や開発許可基準に基づき擁壁等を築造して宅地の高低差を保護するわけですが、既に形成されている崖面にある宅地はどうしたら安全を確保できると思いますか❔
勿論、擁壁等でがっちり築造する方法はあります。しかし、しっかりした構造物をつくるには既存の斜面を一度掘削したり、安全な角度まで削る必要があります。
斜面地の上部の土地に家が建っていなければ工事を行うことが出来ますが、家が建っていると工事内容がかなり制約されます。

そこで今回私が採用した工法をご紹介します。
その工法は、斜面上に格子状のモルタル・コンクリートを造成し、斜面の安定を図る法枠工法と言われるものです。表層崩壊の防止や、アンカー・ロックボルトの反力構造物等に利用されます。地すべり対策工としてのり枠が施工される場合は、アンカーの反力構造物として利用される場合が多いです。
金網製の型枠を斜面上に据え付け、その内側に鉄筋を配置します。そこに吹付機でモルタルを吹き付けてのり枠を造成します。枠内には植生工やモルタル吹付工等による処理が施されます。

この工法は現況斜面の形状はほぼそのままで、地盤を痛めることも少ないので既成住宅敷地に適していると言えます。
ただし、構造計算をして築造するものの、宅地造成規制法で認められている工法ではないので
採用したい場合は、専門家に相談しましょう。

 

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