質問:賃貸の連帯保証人限度は?
知人(独身、親族不在)の賃貸の連帯保証人になっております。
その知人が脳出血で倒れ意識不明、予後も悪く回復の見込みありません。
当方、連帯保証人の責務として知人の代わりに家賃を支払う義務があるのは承知ですが、法的にはいつまで肩代わりしなければいけないのでしょうか?
連帯保証人に賃貸契約解消の権限がないのは存じておりますが、今回のケースの場合、賃借人本人が意思疎通不可能なので、何か解決策を教示下さい。
回答
いつまで肩代わりしなければならないのでしょうか?
原則として賃貸借契約が終了するまでということになります。令和2年4月の民法改正後の契約であれば、根保証契約に極度額を定めることが義務付けられておりますので、その極度額に達するまで支払い義務を負うことになります。
賃借人本人が意思疎通不可能なので、何かの解決策を教示下さい。
高次脳機能障害で、事理弁識能力を欠くに至った場合、その人が当事者となる法律行為(例えば、賃貸借契約の解除等)をしたり、その所有財産を処分するためには、裁判所に成年後見人を選任してもらう必要があります。
ただ、成年後見人選任申立てをする場合の申立人は、四親等内の親族や検察官に限定されております(民法7条)。
親族不在とのことですので、四親等内の親族の申立ては出来ない状況ですね。
このほか、高次脳機能障害で、知的障害、精神障害者、老人福祉法の規定に該当する場合(65歳以上等)には、市長申立てができる場合がありますが、このどれにも該当せずに、市長申立てができない場合には、検察官申立てをすることになります。
いずれにしても、一度、市役所の担当窓口へ相談されてはいかがでしょうか?
アーク町田総合法律事務所 弁護士 山下純司