認知症の親が所有する不動産、売却できるのか?
ご相談者プロフィール
お名前 | 田中 剛(仮名) |
年齢 | 56歳 |
職業 | 会社員 |
家族構成 | 妻・子供2人・要介護の母(80歳) |
相談内容 | 認知症の母が所有する不動産を売却し、介護資金に充てたいが、法的な手続きが分からない |
ご相談者のご状況
田中さんの母(82歳)は、数年前から認知症が進行し、現在は要介護状態です。
これまで自宅で介護を続けてきましたが、介護負担が大きくなり、施設への入居を検討することに。
しかし、母の年金や貯蓄だけでは入居費用を賄うのが難しく、母が所有する自宅を売却し、介護資金に充てたいと考えました。
ところが、母はすでに判断能力が低下しており、売却の手続きができない状態でした。
また、測量図がなく、建物の状態も不明確だったため、売却を進めるには複数の課題がありました。
お悩み
- 母名義の不動産を売却するにはどのような手続きが必要か分からない
- 成年後見制度を利用するべきか、その手続きや費用が知りたい
- 測量図がなく、土地の正確な面積や境界が不明なため、売却がスムーズに進むか不安
- 建物の状態が分からず、買主に適正な情報を提供できるか心配
- 売却時の税金や、介護費用の管理方法について不安がある
このご相談に関する専門家の連携
- 弁護士による成年後見制度の活用サポート
- 認知症の母が売却契約を締結できないため、成年後見制度の利用の提案
- 家庭裁判所へ成年後見人の選任申立てを行い、田中さんを後見人に指定
- 施設入居後の財産管理についてもアドバイス
- 土地家屋調査士による測量図作成と境界確認
- 旧来の測量図がなく、隣地との境界が不明確だったため確定測量の提案
- 境界確認を行い、隣地所有者と合意を取りつけ、売却に向けたトラブルを未然に防止
- 測量図を作成し、売却時に買主へ適正な情報を提供できる状態に整備
- 建築士によるホームインスペクション(住宅診断)
- 建物の状態を詳細にチェックし、老朽化や修繕が必要な箇所を特定
- 耐震性やシロアリ被害の有無、設備の劣化状況を診断し、買主が安心して購入できるように報告書を作成
- 診断結果をもとに、売却価格の適正設定や、リフォームが必要な場合のアドバイスを実施
- 税理士による売却時の税務対策と資金管理アドバイス
- 不動産売却時に発生する譲渡所得税の計算と、特例(居住用財産の3,000万円控除)の適用可否を確認
- 売却後の資金を母の介護費用として効率的に活用するための管理方法を提案
- 介護施設の費用を長期的に賄うための資金計画を立案
- 司法書士による相続登記と所有権移転登記
- 成年後見制度のもとで相続登記を実施し、正式に成年後見人が管理できる状態へ変更
- 売買契約が成立時、買主へ所有権移転登記の申請
- 宅建士による売却戦略の立案と実施
- 測量とインスペクションを踏まえ、適正な価格で売却できるよう戦略を策定
- 「境界確定済み」「ホームインスペクション実施済み」という安心材料を加え、早期売却を目指す
- 買主との交渉を代行し、売却手続きをスムーズ進行するようサポート
しんぐるそりゅーしょん